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No.1-2002/Jan |
このような場を設けてもらっても、何をどう書けばいいのかまだ悩んでいるところです・・・ とりあえず、思いついた事や、くだらない事をつれずれなるままに書き殴っていこうと思ってますんで、暖かい目で見てやって下さい 最初からHeavyな話だと、グゲなんでジャブ程度の話から・・・ あれはまだ、前のドラムが居た頃なんでもう3年ぐらい前の話です その日、ウチラは福岡のとあるMCに呼ばれてLIVEだったんです。 テロが起きたのはそんな夜のことでした・・・ >テロリスト その日彼らは東京からの長旅と、到着即LIVE、そして何より打ち上げによるアルコール摂取により、用意してくれたホテルに着く頃には失神2秒前!既に泥と化していたのである。 この日ギターのHELPの為、仙台からNeedleの友人である一人の男がツアーに参加していた。 彼は通称<悪魔>と呼ばれていた。 首にまで施した刺青と粗野な振る舞いがそう呼ばれる所以である。 通された大部屋で、各々がそれぞれの時間を愉しみ、 くつろいでいた静寂を破り悪魔が云った・・・ >ナリタくん!風呂行かないっスか? >疲れたから俺は後からでいいや!先、行ってくれば? Needleにそう云われた悪魔は、少し落胆の表情を浮かべながら 次なる獲物を探しはじめた・・・ 部屋を見渡すと、ドラムの<たもち>は疲れからか、 もう既に息を引き取り惰眠を貪っている。 チッと云う小さな舌打ちを吐き捨てるのとほぼ同時に 悪魔の目が輝いた!そう彼は見つけたのである!次なる獲物を! ベースの<しん>である。彼は半開きの目玉で天井を見上げ 夢と現実の狭間に、身を横たえていた。 悲劇は、そうハンマーは突然空から落ちてくるのである。 >しんつこ!風呂行くべ! 『えっ!俺?マジ?めんどくせぇ!』 そんな思考が彼の頭を駆け抜けながらも、彼はこう答えた。 >いいっスよ! そうどんなに自分の身体が鉛のようであっても、断れない! 自然の摂理である。虎が牛を喰らうが如し、ライオンが兎を喰らうが如し、断りでもした日にはその先にどれほどの暴力が存在するか 寝呆けた頭でも容易に想像出来たのである。 行くと返事はしたものの、『クッソー、何で俺だけ!』 しんは柔らかな後悔に包まれていた。 と、その時フと閃いたのである! 『あつしも巻き添えにすりゃーいいんだ!』 彼は、我ながらナイスなヤツだと小躍りしたい気分だった! >ヒデキくん!あつしも誘いましょうよ! しんは満面の笑みを浮かべこう云った。 >んだなっ!でもさっきから探してんだけど、いねぇのや! もちろん悪魔は、しんに云われるまでもなく既に長いことあつしを 探していたのである。 この時、<テロリスト=あつし>はあるところへ まだ身を潜めていたのである つづく |
>テロリスト 驚愕の第二話 悪魔がまさに悪鬼の形相で確かに存在するであろうはずの獲物を探し続けていた頃 テロリストは、自分だけの時間を自分だけの閉塞された空間の中で、刻み続けていた 鼻唄交じりで、ヒドク上機嫌だったに違いない もともと彼は集団生活なるものが苦手で、独りの時間をこの上なく愛しているのである そんな悦楽な時空の外では、悪魔の遠吠えが夜を支配していた・・・ >あつしぃー!ドコ居んのやー?あつしぃー!! 悪魔はあきらかにイラ立っている・・・ 彼の野性そのものの嗅覚、そして本能を以ってしても未だ捕獲する事の出来ぬもどかしさに と、その時ドコからか声がする! 応える事が面倒な、小首を傾げたような独特のケダルさを帯びた声が! >何スかぁ? 『あぁ〜ん!ココかぁ?』悪魔が瞬時に身を翻し声に反応する! そのしなやかな動きはまるで獣である >ソコかぁ?風呂行くべぇー! 無論アツシも、シン同様こう応える >いいっスよー! しかし彼の心の中では暴風雨が吹き荒れていた 『クッソー、めんどくせぇーなぁ!行くなら行けよ!勝手にぃ〜!』 <ハァ〜>と深い溜息を無意識に吐き捨てた刹那、間髪入れず悪魔がこう云い放つ >まだがぁー?早くしろっ! 『はぁ〜ん?』アツシがこう思ったのも無理はない 通常、普通の人間ならばまだまだ催促を促すぐらい時間は経過していない 目まぐるしく移り変わる現代の情報社会に於いても是ほどまでとは まさに驚愕である シンは少し離れた場所でしばし放心状態だった・・・ ここで少々補足させてもらえば、悪魔には忍耐力というものがヒドク欠如している 無論そういった類の言葉とは無縁であり、もちろん彼の辞書には存在しない また彼のレッドゾーンの値は極めて低い回転数に設定されており もし普通の人間にタコメーターなるものが装備されていると仮定した時に 一般的なラインを8000rpmとしよう 彼の場合3000rpmで既にレッド突入である! 普段からスローも1500rpmと高めにセッティングされている為、ホンの些細な事でも、彼の指針は容易にメーターを振り切ってしまうのである 次回、怒涛の急展開! ついにテロリストがその全貌を明らかにする! テロ決行のきっかけとは? 果たして成功するのか? 続編を待て! |
テロリスト 第三話 >んじゃー先、行きます!行くぞっ、しんつこ! そう云い残し、わずか20秒足らず待っただけで悪魔は部屋を後にした Wait機能が装備されていない彼にとっては、この辺が限界だったのだろう 彼らが去った部屋では、空調とタモチの寝息だけが静かに共鳴し 夜の黙へと生まれては呑まれ消えて行く それから数分の後、閉ざされた空間とこの部屋を繋ぐ唯一の扉が静かに開き ついにテロリストがその姿を静寂の闇に曝した >待っててくんなかったんスか? 彼は既に二人が部屋を後にした事を、僅かに聞こえていた外の遣り取りで 察知していたにも拘らず、テロ決行を、改めて己に再確認するように問い掛けた >あー Needleは振り返らぬままそう応える しかし何かを引き摺るような摩擦音と、成人にしてはやけに狭い歩幅 まるで子供のような足音に違和感を覚え、ゆっくりと振り返った !!!!!...? そこには想像を絶する姿で、仁王立ちするテロリストが立っていた 女子高生のように膝下10cm程度のところにルーズにまとめられた 男性用下着及びジーンズ 長旅とLiveの疲れからか、ハタマタ悦楽の時間を悪魔に邪魔された喪失感からか グッタリとうな垂れたJhonny! 彼は普段から、自身の生殖器をJhonnyと呼んで愛でている 彼曰く、一度彼と関係を持った女性は愛が冷め、たとえ心が離れていったとしても 彼自身の身体を忘れられないと豪語している イタイ!激痛である! 愛とは本来、愛情があってこそ!のものではないのだろうか? 如何せん悪魔同様、彼の場合も著しく道徳が欠如しているのである その姿を目の当たりにしたNeedleは驚嘆の色を悟られぬよう低い声でこう云った >どうしたん? 彼が普段から総ての物事を決断する時、一番重要なファクターとなるのが 自身の価値観のなかで、ソレがカッコイイか?、カッコワルイか?なのである 故にこの場合、驚いて声をあげるなど言語道断!末代までの恥となる! したがって、驚嘆の表情を悟られる事を潔しとはしなかった >アタマきたから、ケツ拭かないで行きます! そう吐き捨て、テロリストは部屋を後にした! その後姿は愛くるしいペンギンのようでもあった・・・ 肛門付近に付着する排泄物が一歩踏み出す度に、ヌルヌルとした不快感を生むのであろう その不快感を払拭する為に、大殿筋と大腿四頭筋に怒涛の緊張を与え 目一杯外側へと両足を開く! しかし両足首までズリ下がった男性用下着とジーンズに依って著しく自由を奪われた歩様は 秘める闘志とは裏腹に、ヨチヨチとした愛嬌たっぷりのものであった それを見送るNeedleの目には、まるでスロー再生のように映り BGMには中島みゆきの<世情>が流れていたに違いない・・・ 次号、怒涛のテロ遂行! 悪魔の浮かぶ湯舟に着弾! あぁ、無情! |
テロリスト 第四話 テロリストがその姿を他の宿泊客に見られまいと、不自由な歩様で大浴場へと続く 長い廊下を先へ、先へと急いでいる頃・・・ Needleは先程の彼の言葉を思い返し、自問自答を繰り返していた・・・ "アタマきたからケツ拭かないで行くぅ?" "んん〜?" "アリなのかぁ? そんな事!・・・・・人として!!" と、その時、そんな思考を遮るようにタモチがその大きなズウ体と同じくらい デカイ欠伸を吐き出しながら問い掛ける あれっ、みんなドコ云ったんスかぁ? どうやらたった今、惰眠から覚醒したようである 彼はまだ衝撃の事実を知らない 風呂に行ったヨ! Needleは何事も無かったかのようにそう応える 俺も行こうかな! ナリタさんどうします? "ヤッパリそうきたか!" Needleに予想通りの答が返ってくる 人として話すべきであろう・・・ しかしまた、例外なく彼の内にも悪魔は潜んでいたのである "見てぇ〜、この先タモチはどうなんのヨ!" "否!でもそれは人として・・・" "けど、どんなウゴキすんのか見てぇ〜" 結局、彼もまた僅か数秒で内在する悪魔の囁きに負けてしまったのである おぉ!神よ!彼の犯した罪をお許し下さい! 行ってくれば? 俺は部屋のシャワー浴びるし! んじゃー、俺も行ってきま〜す! あぁ、100%被爆する事が確定している戦地へ、赴く事を促してしまった・・・ そんな自責の念から、彼はやわらかな罪悪感に肩を抱かれていた・・・ 独り残された静寂の中で・・・ まるでこれから起こる嵐の前のような静けさの中で・・・ 程なくしてテロリストたちが帰還した 疲れが癒え、とても寛いだ表情を皆、一様に浮かべている あまりにも和んだ雰囲気からNeedleは直感する! "ん〜? アツシはまだ云ってないのかぁ?" そんな想いを孕ませながら彼の顔に目をやる テロリストは "そうだ!" と云わんばかりにニヤリとニタを噛んでみせた "笑ろてる、笑ろてるでぇ、悪っるい顔や!" そう思うと同時に彼は、テロ成功を心の中で祝福してやったのだった しかし、この事実を悪魔に伝えたら、彼はどんなウゴキをみせるのであろう? そんな思考がアタマを過ぎった瞬間、Needleに内在する悪魔がまたしても鎌首を 擡げ始めたのである ヒデキィ!アツシって体洗ってから湯舟浸かったん? そう問われ悪魔は右斜め上方を見上げながら回想を始めた イヤッ!洗ってないっスねぇ!なぁ、しんつこ! ん!! 何かあったんスか? 野性的な鋭い勘で、透かさず悪魔が反応する Needleは何も云わずニタを噛みながら、テロリストに目をやる あぁ〜ん!何かしたべ、アツシ!! 鋭い! 感付いた! おおよそこの類の生き物は、己に降りかかる危機を瞬時に察知する 機能を純正で備えている! 彼のその本能が、何かされたと警報を鳴らしている! テロリストは、テロ成功を噛締めるような不敵な微笑を湛えたまま黙して語らない ケツ拭かなかったんだよ! はぁ〜? そう!それは、当たり前の反応だろう! 理解出来るはずがない! 便所から出て、そのまま風呂行ったの! ん・・・?・・・・・! たっぷりと3秒以上の時間を要して、悪魔は事の次第を把握した 凄まじい程の悪魔の咆哮である! 見る見る顔が変貌し、ゾッとするような禍禍しさを発散させている! まるで、憎悪の吐息を吐き出すように! これに対し、テロリストも両の拳を絞り込み臨戦態勢へと移行して行く! 彼もまた本来秘めたる闘争本能と、殺傷能力は相当なモノを有しており 本能のむくまま、ソレを今、開放しようとしている! 次号、衝撃の最終話! 激突! 悪魔 VS テロリスト! 決戦の行方は! しかし、そこには意外な落とし穴が! 誤爆かぁ〜? |
テロリスト 最終話 べっとりと粘りつくような殺気を纏ったまま二匹の獣は対峙している 眉間にシワを寄せ、互いに睨め上げたまま・・・ 悪魔の暗く堕ち窪んだ双眸の奥で冷たく光る殺意・・・・ もちろん理論だった解釈があるわけではない その視線に絡め捕われたテロリストは背中を這い上がる熱を感じている 眼球の奥がアツイ・・・ 蜘蛛の巣のように全神経を張り巡らした間合い・・・ 互いの身の丈から想像するに、二人の間合いはほぼ同等であろう 多くの場数を踏んだ経験から、互いに己の間合いは十分に熟知しているはずであ る 相手が一歩でも踏み込んだ刹那、迷わず渾身の一撃を叩き込むであろう 一撃必殺・・・・ もし先制を取れなかった場合、己を危機に曝す事となる 互いに第一打の重要性を直感する! 通常、直感というモノは第六感なる霊感めいたモノとは違い経験が総てである! 今まで経験した事象は表層意識が認知する、しないに関わらず 確実に深層意識に蓄積される その蓄積されたデータをもとに、瞬時にシュミレーションを繰り返し 叩き出された結果が直感なのであって、経験の少ない者に勘の鋭いヤツなど存在 しない 時間そのものが静止したような音の無い世界・・・ 二人とも動かない・・・ 否、動かないのではない、動けないのである そんな二匹の獣が吐き出すプレッシャーで、ぐうっと空気が湾曲むような錯覚を覚え る ピキッ、ピシッと気層が悲鳴をあげたその時、悪魔が静寂を破った・・・ 暗い、古井戸の深淵な闇から響くような・・・ うめくような声で・・・ アツシぃ〜 てぇ〜めぇ〜・・・次は無ぇ〜ぞぅ・・・ 一気に部屋のテンションが張り詰める 鼓動が急速に加速する! てめぇ、次は〜 ヤバイ! テロリストもその気配に瞬時に反応し身構える! 硬く拳を絞り込み、来るべき一瞬に全神経を集中する 沈黙を破り悪魔の咆哮が夜に解き放たれた! お゛〜い 人かぁ? てめぇら! そう思うのもムリはないだろう! まるでK-1のファイナルに林家ペーが出てきたぐらいの衝撃である 血で血を洗う惨劇を期待していたNeedleはあまりの結末にガックリと肩をオトした そんなうな垂れた彼の横では二匹のおバカ達が、貧困なボキャブラリーを駆使し 未だ罵り合いを繰り広げてる アホくさっ! Needleがそんな倦怠感に包まれ、このシラけた夜に自らを沈めようとした時 タモチが大浴場から戻ってきた・・・・・ どうしたんスか? 二人の罵り合いを、不思議そうに見ている 何でもねぇ!クダラネェ事! Needleは呆れた様子で吐き捨てる! それよりどうだった? フロ? いい感じでしたよ! 彼は無類の温泉フリークである! そんな彼が続けてこう云った・・・ それに美味かったっスよ! お湯! え゛ぇ〜〜〜〜! マジで呑んじまったのかぁ? そ、そうなのである 彼は温泉湯の愛飲者なのである! しかも、湯は湯舟から掬って呑むものだとヒドいカン違いをしているおバカ! 三年の月日が経過した今尚、未だ彼には、この事実を告げていない・・・・ こうして、福岡の長い夜は更けていった・・・ たとえ、誤爆であろうとも自分のテロによって新たな被爆者が出たことを心底喜ぶ テロリストの不敵なニタと共に・・・ 完 |
テロリスト ― あとがき ― 今回このテキストにお付き合い頂き誠にありがとうございます。 心から感謝いたします。 やっぱりアップしている以上、それなりの反応が無いとツライものです。 みんな読んでるの? もしかーつまんない? 面倒くせぇし、もうヤメちゃおっかな〜! 等と葛藤を繰り返しながらも最終章までコギつけられたのはBBSでのカキコのおか げです どんな意見でも結構です!思った事や、感じた事を書いて頂ければ幸いです。 それを励みに続けていこうと思います。 それから、残念な事に自分が経験した事の一割程度のモノしかこのテキスト上では アップできないという事です。 残りの九割の方が格段におもしろい作品に仕上げる自信があるのですが 如何せん、内容が内容だけにヤバ過ぎてアップを断念せざるおえないのです。 時効を待って可能なモノは掲載しようと思っています。 それと最後に、今回このように自分の恥ずかしい過去、所謂哀れな部分を 世の中に公開するにあたって、二つ返事でOKし 豪快にそんな部分を笑いトバす事の出来るファミリーに出逢えた事を もし 神 というものがこの世に存在するのなら深く感謝します。 Needle 追伸 週末は、神が創り出す―偶然―を当てる事により一番神に近づける瞬間を求め 馬券検討をしておりますので、新章は次週よりスタートする予定です。 変わらぬご愛好の程、宜しくお願い致します。 |